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2021年11月 秋の薬膳 佐賀県伊万里市・有田町の郷土食

目からウロコの調理学

秋の薬膳 佐賀県伊万里市・有田町の郷土食

(1) はじめに

佐賀県は九州北西部に位置しています。穏やかな有明海・玄界灘と二つの海に恵まれています。南は佐賀平野、そして北は背振山と自然に恵まれ四季折々の海の幸、山の殺が豊富な地域です。
 特に、佐賀の食と言えば3大グルメと言われているのが「伊万里牛、佐賀牛」、呼子名物の「イカ活造り」。4~5種イカの種類もありますが、下足は天ぷらや塩焼きが美味ですね。そして、太良町の「竹崎のカニ」、ワタリガニの一種ですが約30年前「福一」の社長様から竹崎カニは千枚通しのようなものでカニの中心部を刺して「シメ」て鍋に入れ、水と塩を入れ甲羅を上にして13~15分沸騰させて茹でると美味しいとお教えいただきました。
 四季折々の食材を使用した佐賀県の郷土の薬膳をお楽しみ下さい。
 地産地消の食材を作った郷土の食事こそが健康に寄与し環境にも良いのです。

(2) 佐賀県の伊万里市と有田町

伊万里秘窯の里大川内山の鍋島藩窯の秋まつりの季節となりました。今年も11月3日からのようです。
 江戸時代、肥前地区で焼かれた磁器は積山港である伊万里港から、国内のみならずヨーロッパまで運ばれ王侯貴族にも愛されていました。
 日本で最初に磁器を製造した鍋島藩は1675年に有田から大川内山に藩窯を移され、技法が他に漏れないようにと関所まで設けていました。
 明治4年に藩窯解散されて、その後高度な技法を守り、受け継ぎ、新たな技術をも取り入れて近代的な感覚の食器も出来上がっています。
 私の友人の山形県アル・ケッチャーノ オーナーシェフの奥田政行氏も伊万里焼のファンで文三窯様とコラボで食器を製造し、銀座のレストランで使用しています。

(3) 伊万里市・有田町の食育食器

料理と関わりの深い器、やはりトップブランドとして多くの人々を魅了し、今日までに至っている伊万里焼や有田焼の中でも、文三窯(三宅製陶所)の三宅求社長氏には40年以上、私の盛り付ける食器を焼いていただいています。この“ツバメガスフロンティア様”の料理を盛っている食器もほぼ文三窯です。鍋島窯の伝統的な技術を受け継ぎ、また一方では生活感覚にマッチした器が創作されています。私達が文部科学省、県の栄養教諭の認定講師をさせていただいているため、食育効果を高める一つの方法として、一汁三菜食器を考案し焼いていただきました。食器は計量器の役割を果たしてくれ、毎日の食事管理ができるようになっています。 是非、チャンスがあればお子様の食育食器をご自分で絵付けをして焼いてプレゼントしてみませんか。文三窯の奥様も長女も私達の教え子ですので、三成紹介と伝えてください。

(4) 伊万里の郷土の食

 今回、伊万里の文三窯のおばあ様、三宅文子様に郷土料理をお教えいただきました。 40年の長きにわたり私たちが訪問すると、おもてなしいただいた料理の一部を紹介いたします。時短料理で無駄のない、まさに食品ロスを防ぐ料理なのです。

1)栗おこわ

有田や伊万里のお祝いの時に欠かせないのが「栗入りせつかん」赤飯なのです。 調理方法は、地域の山や畑で秋に収穫された自然の恵みを取り入れた栗おこわです。「陶山神社」のおくんちには陶磁器産業発展と家内安全を願って作られて来たそうです。

2)にごみ

これこそが我が家の家庭の味だと、三宅文子様が力をいれて教えてくれました。まさに伊万里特有の料理で、煮しめを作った飾り切りの残りの野菜や栗おこわの残りの小豆や栗も使う。つまり、家庭に残っている食材を無駄にしないように作られてきた一品料理です。各家庭で味は少し異なるようですが食材に愛着を持って、家族のために作ってきた料理なのです。

3)かけ和え

大量の大根を「ささがき」にして、新鮮な魚、鯖、鯵、鰯を使って作る胡麻酢味噌和えです。以前は安い「くじら」を使っていたとの事ですが、結婚式などの引出物の焼き魚をほぐして身を入れてもよいとの事です。時短料理で無駄がない料理で驚きです。大根は切って、味噌少量と合わせて混ぜておく、魚は昆布の上に置き、酢をかけてスライスする。後は、2種類の食材をもんで合わせて出来上がりです。

4)だご汁

寒い晩秋から冬にかけて。ご飯が不足しているなと思ったら「だご汁」を作るとの事です。季節の根菜類の野菜を乱切り又はいちょう切りにして煮込み、小麦粉のだごを入れて煮えたら出来上がりです。あったかでホッとする一品です。

5)呉豆腐

地域では大豆から呉汁を作って、カタクリ粉で固めた豆腐です。プルルンとして喉ごしもよいです。しかし、濃度が難しいので豆乳とくず粉で紹介しました。簡単に作ることができ、子供たちも豆腐プリンと大好きな一品。少し甘い胡麻醤油がポイントです。特に有田の方々はよく作る大好きな一品と聞いています。

6)いもね

本来、お正月の飾り餅をカビがはえないようにと、水につけて保存していました。其のお餅を活用した一品。今日ではサツマ芋が収穫されたらおやつとして作っているそうで、私も何度もいただきました。やはり配合が難しく流れてお餅にならないこともあるようです。茹でたサツマ芋100g、おもち100gで作ると成形しやすいです。きな粉を添えると嬉しい一品になります。

一陽来復の健康学:新型コロナウイルス感染症の第6波にむけて

 現在、福岡県の新型コロナウイルス感染症の新規患者数は1日10名程度となっています。昨年の同じ時期の患者数もこのくらいでしたが、11月下旬頃から増加に転じました。今年も冬に向けて増加することが予想され、しかも昨年の冬の大流行を上回る患者数になると考えられています。全国の7日間の新規感染者数(人口100万人当たり)は前の週に比べ減少が続いていましたが、現在では前の週より増加している都道府県は11に上っています。九州では熊本県、鹿児島県、沖縄県が増加しています。全国の実行再生産数(1人の感染者が平均して何人に感染させるか)は1以下、つまり感染者数は増加しないところでとどまっていますが、やがて1を超え感染が流行することが予想されます。
 新型コロナウイルス感染症は感染者の咳やくしゃみから発生する飛沫への曝露や、飛沫に汚染された表面への接触により感染すると考えられてきました。しかし飛沫感染は効率が悪く、個人同士が20cm以内で会話をしているときにだけ感染することがわかり、現在では新型コロナウイルス感染症の主な感染経路は空気感染と考えられています。飛沫が空気中を飛行しているときに水分が蒸発すると、飛沫核という微小な微粒子となり、空気中を長時間浮遊できます。そこに病原体が付着すると、病原体もまた飛沫核に乗って長時間、空気中を浮遊できます。これが空気感染です。そのため、濃厚接触者(感染者と1m程度以内で15分以上接触があった人)を探すことはあまり意味がありません。世界保健機関と米国疾病予防管理センターは、2021年に新型コロナウイルス感染症はウイルスを含んだ微粒子の吸入が主な感染様式であることを公式に認めました。
 空気感染を防ぐためには、①マスク着用、②換気の2つが最も効果があることがわかっています。換気に関しては、最低限部屋の換気を1時間に4~6回入れ替えることが重要です。二酸化炭素センサーは、呼気の蓄積の指標として使用することができ、換気をモニターするよい方法ですが、二酸化炭素濃度を700~800ppm以下に維持することが推奨されています。やはりマスクの着用が一番大切です。

参考資料
1) Wang et al., Science 373, 981 (2021) 27 August 2021
2) https://www.kenei-pharm.com/general/column/vol51/

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