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2021年10月 秋の薬膳 長崎の郷土の食事

目からウロコの調理学

秋の薬膳 長崎の郷土の食事

 長崎県は九州の西北部に位置し、東は島原半島に突き出て、南は長崎半島が天草灘い望み、西海上に五島列島、西北海に壱岐・対馬があり、日本一の多島の県と言われています。そして長崎県は7つの地域に分けられ、長崎・島原・県北・県中・五島・壱岐・対馬となっています。
 この長崎県は、江戸時代には唯一外国との玄関としての出島があり、様々な国の人々や文化が上陸し、日本(和)の中で中国(華)やオランダやポルトガル(蘭)との接触を保ち続け、長崎独自の文化が育まれました。和・華・蘭の各文化がブレンドされて、個性ある独自の食文化が郷土料理にも影響しているのです。

1.秋の「長崎くんち」と「ちゃんぽん」

 秋の長崎といえば、諏訪神社の祭礼行事の「長崎くんち」が毎年同日10月7日から9日まで開催されます。3年前に中国ゆかりの龍踊り・唐人船・龍船に興味があり行ってまいりました。長崎は、“中秋節”は黄色の満月燈籠が、冬のランタンフェスティバルには赤色ランタンが飾られて、異国の雰囲気になっていくのです。
 長崎には中華街があり日本人の口にあうように改良されています。長崎ちゃんぽんは、100年以上前に料理店「四海楼」の創業者が、お腹がすいた中国人留学生のためにボリューム・栄養バランスを考慮して作ったのが最初なのです。
 中華麺づくりに不可欠なのが「かんすい」です。小麦粉に入れると、グルテンに作用して弾性が増し、歯ごたえのある麺になる特徴があります。特に麺の風味や色合いや食べた時の感触であるテクスチャーを生み出すのです。かんすいの原料は炭酸ナトリウムと炭酸カリウムで、割合は一般的には2:1だと言われています。他に植物の根や幹を焼いて作る灰汁(主成分は炭酸カリウム)を使っている人もいたそうです。実は長崎では、中国・上海から伝わったと言われる唐灰汁が使用されています。この唐灰汁を作るのには許可が不可欠だそうです。ちゃんぽんのスープに唐灰汁入りの中華麺を入れると、成分が溶け出てきて白濁となり、味が美味となってくるから不思議です。

2.秋の「長崎くんち」と「ミルクセーキ」

 長崎くんちの代表的な龍踊(じゃおどり)を見学して、体をクールダウンしたい時に是非おすすめしたいのが、浜町アーケードを抜けた所にある、九州最古の喫茶店と言われる「ツル茶ん」の長崎ミルクセーキです。卵・ミルク・練乳・牛乳・かき氷を入れて作られたもので、飲むというより食べるデザートです。  ミルクセーキにはフレンチスタイルとアメリカンスタイルがありますが、フレンチスタイルはシェーキせずアイスクリームを入れないヘルシータイプのデザートで、長崎ミルクセーキはこちらに似ています。日本に西洋文化が伝わって初代川村岳男氏が開発して、「長崎最古のミルクセーキ発祥地」と呼ばれています。今回レシピを考案してみました。やはり美味でした。

3.長崎 和・華・蘭料理の卓袱料理

卓袱料理(しっぽくりょうり)の「卓」はテーブル、「袱」はテーブルクロスで、中国料理の膳の形が基本となっていますが、江戸時代のポルトガル・オランダとの交流により、和食に洋食もミックスされてアレンジされた和・華・蘭料理となっています。長崎の郷土料理でもあるのです。
 卓袱料理の朱塗りの円卓には上座・下座がなく、まず「おひれ」(吸い物)の後に、大皿に盛られた季節・地域の食材が使われた料理を、直箸で小皿に取り分けていただきます。
 日本調理科学会で、活水女子大の古庭先生が“花月”で説明してくださいました。お料理は伝統を守り、原点に忠実な献立でした。隠元和尚などが伝えたと言われる普茶料理(ふちゃりょうり)である精進料理が、長崎の町で独特の料理を生み出したと言えます。私の大好きな卓袱料理と言えば、知人の曽我部様がご馳走してくださった、120年以上の歴史のを持つ「坂本屋」です。その後も、昼食のランチを求めて何度も通いました。「坂本屋」のお料理は、最高の旬の食材を大事に調理され、最初の一品から最後の一品まで気を抜かず…感動の連続でした。特に東坡煮は、私のボスであった楠喜久枝先生の大好きな料理の一品でしたので、特別でした。本場中国・杭州の西湖のほとりにある浙江料理の「楼外楼」には、東坡煮と龍井蝦仁に魅せられて10回以上行きました。北宋の詩人、蘇軾(そしょく)が考案者で号の「蘇東坡(そとうば)」に由来するとの事です。詩の謝礼に、杭州の紹興酒をいただき、地域の豚肉と一緒に煮込んだら美味しかったとの事で、今日に至ります。
 上海中医薬大学の朱根性先生は、私の中医学老師ですが、中国の食文化と料理の指導者で多くを学ばせていただきました。
 レシピをもとに是非作ってみて下さい。魅せられる事間違いなしです。白い蒸しパンに挟むと格別です。

4.島原の具雑煮

島原地方の雑煮は具だくさんです。40年前に初めて島原にある「姫松屋」に行き、お出汁の旨味の美味しさが忘れられず、博多の具雑煮店を捜して通いました。この地域の代表的な郷土料理なのです。
 江戸時代の初期、天草四郎時貞が島原の乱(1637年)において一揆の総大将。約4万人の信徒達と籠城した時に、兵糧として蓄えさせた餅と山や海の幸を集めて煮混ぜしたものを約3ヵ月間食べ戦ったと聞きました。考案者は天草四郎時貞氏と言えます。まさに、野菜や保存可能な食材を入れて美味しい和風出汁で煮込んだ島原雑煮は、ヘルシーな主食兼主菜の一品と言えます。歴史を紐解きながら、家庭にある食材を自由に入れて作ってみて下さい。

5.長崎県のさつまいも料理

五島列島に栽培技術とともに伝わったさつまいもを切って茹でて干した「かんころもち」は、この地域の料理です。特に「つきあげ」は五島で初めていただきましたが、蒸すか茹でて熱いうちに棒で突きつぶして、1個50g程度に丸めて揚げた料理です。“つく”から、この名前がついたようです。私はバターやシナモンを入れて胡麻をまぶして油を入れたフライパンで両面焼いておやつの一品としています。

6.松浦市のアジフライ応援団!!

友人の秋本氏が「松浦市のアジフライは日本一!」と言うので、ではと行ってきました。“やみつき”になりました。アジの水揚げ量日本一を誇る松浦市は、2019年4月に「アジフライの聖地」を宣言して、美味しさを追求し、おもてなし精神一様でした。「ノンフローズン」か「ワンフローズン」かと聞かれ、意味不明で両方いただきました。両者には少し差がありましたが、どちらも臭みはなく、厚くふっくらサクサク、やはり日本一だと思いました。五島列島沖から一年を通して新鮮なアジが水揚げされますが、今、秋が一番脂が乗って美味です。昔から食べられていたアジフライを、旅館や飲食店が知恵を出して、より美味しくニーズに対応した味を作り出す。その工夫知恵は、さすが日本人ですね。

7.諫早市のはなはじき

税理士の友人に何を食べているか聞くと、家庭にあるものを切って辛子酢みそにつけて食べているとの事。辛味で鼻がツーンとして弾かれる事から“鼻はじき”と名付けられ、お盆や法事などで出されるおもてなし料理です。食材を放射状に盛り付ける事が大事なようです。

長崎県の郷土料理に中から、私がご縁をいただき、まさにこの秋おすすめの品をご紹介させていただきました。是非お楽しみください。

一陽来復の健康学:10月からの新型コロナウイルス感染症への対策

 8月に福岡県の新規感染者数がはじめて1000名を超えましたが、現在急激に減少して100名を下回っています。しかし、感染流行が下火になった今は次の感染流行に向けて対策を準備する重要な時期です。これらについて説明します。

朝食にタンパク質を多く食べましょう

1)個人的な対策

8月に大流行したデルタ型のウイルスも含め新しい変異ウイルスに対しては、現在のワクチンは感染を100%予防することはできません。しかし、重症化は防ぐことはできます。若年者も感染すると重症化することが報告されていますのでワクチン接種は有効な手段です。ワクチンを接種していなくても、マスクの着用や室内での換気は絶対必要です。

2)全体的な対策

①変異ウイルスの早期発見と動向調査

この冬は大きな第6波が来ることが予想されています。次から次へとコロナウイルスは変異して新しいウイルスが次の感染流行を起こします。感染力の強いウイルスは体内に入り感染を引き起こしますが、あらたな変異も起こり変異をすることで自壊(ウイルスが死ぬ)することがあります。現在の流行の減少はこのウイルスの自壊が起こっているためと考えられています。しかし、依然として日本のどこかで感染がくすぶっていると、そういう場所から感染力の強いウイルスがあらたに出現し、次の感染流行を起こす可能性があります。感染が下火になっても次の変異ウイルスの早期発見とその動きを追跡する必要があります。

②人流防止

感染力の強い変異ウイルスが出現すると、感染の高い地域から感染の低い地域へ人の移動が多くなれば、感染が日本中に広まる恐れがあります。感染が下火になっても人流が増加するようなことは、流行がほぼ完全に鎮圧するまではできるだけやめることが大切です。

③空港検疫の徹底

世界中でウイルスの変異が起こっていますので、空港検疫でしっかり防御し日本国内に新しい変異ウイルスを絶対に入れないことです。世界中がデルタ型のウイルス感染流行で患者が増加したとき、台湾やニュージランドは空港検疫でデルタ型を完全に防御したため、国内でのデルタ型の感染流行は起こりませんでした。

参考資料:東京大学,先端科学技術研究センター児玉竜彦
https://www.youtube.com/watch?v=aCUGGGHVga0

健康一口メモ

  • 毎日アボガド1個で女性の内臓脂肪が減少

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  • 塩味の塩化カリウムで無理なく減塩し健康増進

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  • 健康的な食生活はコロナの感染予防や重症化に効果あり

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