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2022年12月 冬の日本型薬膳 家庭でクリスマス料理を!

目からウロコの調理学

12月冬の日本型薬膳 家庭でクリスマス料理を!

1.はじめに

地球温暖化で、大雪と暴風を伴う冬の嵐も減るかと思えば、地域によっては気温が上がると空気中の水蒸気が増えて雪が増える可能性もあるといわれています。
二十四節気の第21番目12月7日は「大雪」。この頃になると本格的に雪が降り始めるといわれています。冬将軍の到来ですね。冬将軍とは、軍隊が厳冬に活動する際、“寒波”と“降雪”は敵軍以上に甚大な被害をもたらすという比喩から来ているとのことです。今年の冬、極端な現象が起こらないようにと祈っています。そして12月22日は冬至、一年の間で昼が最も短く、夜が最も長くなります。中医学では陰と陽は静止せず、すべての事柄は一定の段階に達すると、それぞれ相反する方向へ転化したり交代したりすると考えられています。
中国では、冬至は太陽の力が一番弱く、この日を境に再び力がよみがえってくるといわれ、栄養価の高いかぼちゃを食べ、ゆず湯に入り、身体を温めて無病息災を願いながら寒い冬を乗り切っていこうということなのでしょう。
今年最後の月、12月の冬の薬膳について紹介します。冬季の自然条件は「寒」。予防には、熱性や温性の食材が効果的です。腎経に入り滋養、強壮効果のある胡桃(クルミ)、枸杞子(クコの実)、白果(ギンナン)、海参(ナマコ)、大豆、黒芝麻(黒ゴマ)、栗、山薬(ヤマイモ)、烏骨鶏(ウコッケイ)、桂皮(ニッキ)などが適しています。冬が旬野菜の萝ト(ダイコン)、胡夢ト(ニンジン)、蕪、ゴボウなどと組み合わせるとよいです。

2.野菜の調理と機能性

今回、冬野菜でもある大根をカラフルなサラダで食べていただきますので、野菜について紹介いたします。
野菜は食用部位により、葉菜類、茎菜類、根菜類、花菜類、果菜類に分類されます。野菜類には旬の時期があり、旬の時期は栄養的にも味覚的にも優れ、しかも大量に出回り安価です。野菜は緑黄色野菜とその他の野菜(淡色野菜) に分類され、緑黄色野菜とは、可食部100gあたりカロテンを600μg以上含む野菜のことをいいますが、600μg以下でも摂取量や頻度を考慮して、栄養的にカロテン補給源として評価されるトマト、青ピーマン、グリーンアスパラガスなども含まれます。冬が旬の野菜は、蕪、カリフラワー、キャベツ、ダイコン、白菜、ほうれんそう、ブロッコリー、レンコンです。
野菜類の栄養は、水分を多く含み、ビタミン、ミネラル類が豊富であり、さらに食物繊維の重要な供給源になります。健康日本21(第2次)(厚生労働省)では、成人の1日の摂取目標量を350gに設定し、そのうち約1/3を緑黄色野菜から摂取することを推奨しています。色、香り、味などの嗜好成分はフィトケミカルとしてその機能性が注目されています。フィトケミカルとは、植物中に存在する天然の化学物質で、生体調節機能をもつ色素、香り、アク成分のことで、その多くはポリフェノールです。フィトケミカルの代表例として、イソフラボン(大豆、大豆製品)、カテキン(お茶、紅茶)、スルフォラファン(ブロッコリー、キャベツ)、イソチアシアネート(大根、わさび)、β-カロテン(人参、かぼちゃ)、リコピン(トマト、スイカ)、フコイダン(海藻類)、リモネン(柑橘類)などがあります。

とくに野菜の生食調理は、新鮮な風味、歯ざわりを楽しむものです。野菜の細胞内液の浸透圧は0.85%食塩溶液、10%ショ糖溶液、0.2%酢酸溶液とほぼ等しいです。細胞内液の浸透圧よりも低い溶液中では細胞が水を吸い、張りのある食感になります。浸透圧の高い溶液中では、水分が細胞外へ引き出されるため細胞が収縮し、軟らかくなります。だから生で食べる野菜は調理操作次第で美味しくなります。

3.12月は家庭にある食材でクリスマス料理

1)緑の高菜ピラフ

 今日、Yakultの“後世に伝えたい郷土料理の知恵と工夫”のミニカレンダーが届きました。今年5月に瀬高町の皆様に協力いただき高菜漬けの取材協力をしました。その原稿が反映されて表紙に使われました。クリスマスのカラーは緑・白・赤!!高菜漬けの美しい緑をピラフに使いました。グリーングリーンの鮮やかなピラフは食欲を出してくれる一品です。

2)カブと豆の白いシチュー

 冷蔵庫の中にカブとミックス煮豆とベーコンが入っていました。シチューは、鍋にバターと小麦粉を炒めて洋風だしを入れ、野菜を入れてコトコト15分間煮て、最後に牛乳を入れてできあがり。Pointは最初ににんにくを少し入れる。また煮る時ローリエ(月桂樹の葉)を1枚入れると美味しくなります。

3)赤いカラフル大根とチーズのサラダ

 唐津の飴源の社長田中様には、40年前より私のボス楠先生とその友人浦田先生と一緒に玉島川を眺めながら、唐津焼のこと、川魚のこと、野菜のことなど沢山教えていただきました。9年ぶりに東京の歴史あるホテルの料理長と飴源へ行きました。ツガニ、川魚、摘草料理の数々、手作り柚子胡椒を添えて舌鼓!!至福の時間を過ごせました。料理にカラフル大根が美しく飾られ、色、味、辛味が異なり、魅せられました。なんとドレッシングは必要なしで美味でした。先日、大学に届いた大根や蕪は、姿も色も味も見事で田中様が育てた農作物は体に染みました。

4)クリスマス用ローストチキン

 2018年のクリスマスはイタリアのバチカンで過ごしました。聖夜はカステルガンドルフの近く、アルバーノの教会で日本人最後のシスターで叔母のマリア・ファティマ竹内街子とイエス・キリストの降誕祭、ミサにも参加させていただきました。教会でのお食事はお料理に合わせたお酒が準備され、メインディッシュは香草をつめて焼いたチキンの丸焼き、敷き野菜はほうれん草のような緑の野菜でした。付け合わせの野菜もオーブンで一緒に焼いてください。最後はミラノ発祥のパネットーネでした。

5)柿のふんわりスフレ

 東京の歴史あるホテルの料理長と浮羽の柿山へ行って参りました。沢山の柿が山の道に置かれて雨にうたれていました。2級品の柿を分けていただき、スフレ(Suffle)用のメレンゲに柿を混ぜてオーブンで焼きました。軽くふわふわしたフランスのお菓子のできあがりです。スフレとの最初の出会いは、今から45年前、1965年東京オリンピック第1回目で選手村の料理長を務められた馬場久先生による中村学園大学での調理の献立に入っていました。当時、助手担当だった私はスフレの出来上がりが気になり、途中でオーブンを開けてしまい、なんとスフレがしぼんでしまったことがあります。オーブンは200℃、7~10分間絶対に開けないこと!!苦い思い出のお菓子です。皆様ぜひ挑戦してください。

6)その他

 ワイングラスやガラスのコップに一口で食べられるプチトマト、オリーブ、うずらの卵、チーズ、果物を入れて、緑の香草で飾ると食卓が鮮やかに見えます。また、パイナップルやりんごなどの中心に穴をあけ、ローソクの下にアルミホイルを巻いて立てるとフルーツローソクの出来上がりです。お好きな料理にお好きなお酒を合わせて、そのマリアージュをお楽しみください。
楽しい聖夜でありますように!!

一陽来復の健康学:新型コロナウイルス感染症の第8波への対策

 11月13日の週において、新型コロナウイルス感染症の1日の感染者数は東京都で1万人を超え、全国でも10万人を超えました。政府分科会の尾身茂会長は第8波に入りつつあるとコメントを述べました。今回の広がりの特徴は、北海道など北の地方から始まっていることです。現在感染している主なウイルスはオミクロン株の「BA.5」がですが、割合でみると8月、9月は98パーセントでしたが、10月は90%と減少しており、そのかわり「BA.2.75」が2.5%、「BQ.1.1」が2.4%と増加しています。専門家によりますと、第7波で「BA.5」が流行した地域では免疫を持つ人の割合が高くなっているが、流行が少なかった地域では免疫を持つ人の割合が低いため、現在感染者数が増加しているという仮説を考えているようです。第8波の特徴として指摘されているもう1つは、いろいろな変異株が流行するのではないかということです。日本で見つかっている変異株でもBA.2.75、BQ.1.1、BF.7、BQ.1、XBBなどがあり、これらの変異ウイルスは、これまでに感染したことやワクチンを接種したことで得た免疫を逃れる可能性が高いといわれています。名古屋工業大学の平田晃正教授の予測によりますと、東京都では12月に入りじわじわ増加し、来年1月中旬がピークで1日の感染者数は25,000~36,000人に達するとしています。油断できない予測です。また、同時に流行が懸念されたインフルエンザですが、現在は日本では低い水準で推移していますが、アメリカ、カナダでは増加傾向がみられ、欧州でも少しずつ増えているようです。心配な方はインフルエンザのワクチンも接種した方がいいでしょう。
 最新の接種を受けている人は、未接種または一次接種のみを受けた人に比べて、COVID-19による重症化、入院、死亡のリスクが低くなっています。
 コロナワクチンですが新たにワクチン接種することで、前回の接種以降に低下した防御力を回復させることができます。最新のワクチンは、以前流行したコロナウイルスよりも感染力の強い最近のオミクロン亜種に対する防御を強化することができます。最近のウイルスであるBA.4とBA.5は、オリジナルのオミクロンと非常に近い関係にあり、違いは非常に小さいものです。そのため、最新のワクチン接種で今主に流行しているウイルスの種類にも対応できると考えられています。あとの対策はマスクと換気です。対策は8波でもかわりません。

参考
1)https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/eighthwave/detail/detail_15.html
2)https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/vaccines/different-vaccines/overview-COVID-19-vaccines.html

健康一口メモ

  • 運動の種類に関係なく、運動は健康効果がある

    運動の種類に関係なく、運動は健康効果がある

  • 魚の摂取は認知症を予防する

    魚の摂取は認知症を予防する

  • 食事の時、料理に塩をふりかけると平均余命が短くなる

    食事の時、料理に塩をふりかけると平均余命が短くなる